のんびり仙台。

仙台でのゆったりとした生活の、お話。

【映画】ファブリックの女王

マリメッコ柄の創始者、アルミ・ラティアを題材にした映画、「ファブリックの女王」を観てきました!

ファブリックの女王

以下、ネタバレ含む感想。







---------------------------------------------
マリメッコ柄の創始者、アルミ・ラティアが主役の話だと思ったら、違ってた。アルミ・ラティアを舞台で演じる人、か主役だった。アルミ・ラティアを演じながら、彼女がどんな人間だったのかその核心に迫る感じ?

なので、主役がヒステリーを起こしても、それがアルミ・ラティアとしての表現なのか、それとも役者本人のヒステリーなのか、判断がつかなくて頭に「?」が浮かんだ。英語の部分と他の言語の部分があったから、もしかしたら英語=役者本人の部分だったのかもしれないけど、全部字幕で観てる側としては、そこまで全部配慮して観ることは、初見では無理だったよ~、難しいよ~。

アルミ・ラティアは、男に負けず仕事に全力で向かっていくんだけど、その姿を観ながら最初に思い浮かんだのは「プラダを着た悪魔」の、鬼編集長ミランダ。傍若無人ぶりと気の強さは、似た感じかなぁと思ったけど、アルミ・ラティアは仕事をしている描写が少なかったから、「仕事の鬼!」という感じではなかったかなぁ。じゃあなんの描写が多かったかというと、人とぶつかってヒステリー起こす描写?我を通す描写、かなぁ。

な~んか、一貫性がなくて、モヤモヤする映画だった。アルミ・ラティアは、「女が自立して生きていける職場にする!」的なことを掲げるんだけど、部下の女性を大切に思っている、大切にしているという感じがあまり伝わってこなくて。むしろ傍若無人な振る舞いで、部下との間に亀裂があるように見えたり。う~ん。「そこは察しろよ」ってこと?

プラダを着た悪魔」の次に思い浮かんだのが、「ココ・アヴァン・シャネル」の、ココ・シャネル。デザイナーとして一直線に突き進んだ彼女は、アルミ・ラティアと重なったけど...「主役が演じているアルミ・ラティア」という設定のせいで、どうしても「お芝居の話」というこびりつきが取れなくて、純粋に楽しめなかった。

ファッションショーの場面も、あのマリメッコ柄の花柄が乱舞するところが見られるかと思ったら、花柄じゃないのね...初期はシンプルな柄なのね。それでも、マリメッコはじまりの柄は、ステキだったけどね。

ふー...とにかく、モヤモヤな映画だった。まず、一番最初に全てのあらすじを、主役が語ってしまい、「これからそれを私が演じます」みたいになったときはポカーンとしてしまった。そして、あらすじ通りに動くストーリー。合間に、どう演じたらいいのか悩む主役。そうか、これはストーリーを楽しむ映画じゃなくて、役者がどう演じるかを楽しむ映画なのか。

ストーリーも、楽しみたかった...orz

そして、ポカーンとする終わり方。アルミ・ラティア逃亡→「私、戻ったわ!!」→家族や部下が、無表情で祝いの食卓(?)の用意をする→ハッピーエンド的な空気で拍手がおこり、終わる。

もー、なんなのこれ。この無表情で、ハッピーエンドなの?拍手も、拍手喝采!ではないから、これが成功なのかどうかもよくわからないし。思えば、明るい音楽が流れている時にアルミ・ラティアの眉にはずっとしわが寄って不機嫌そうだったり、音楽と行動がちぐはぐな時があって気になったし。

すごく、難解だった。何を表現したかった映画なのかな?とりあえず、思いっきり人とぶつかっても一歩も引かず、前に突き進む人だということだけは、わかった。ステキなファッションやファブリックを期待して観に行ったけど、たくさんのヒステリーを観て終わった気がする...。